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働き方・休み方改善指標 活用事例集(平成27年度) 関係法令等に関するパンフレットなど | 働き方・休み方改善ポータルサイト

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全文

(1)

働き方・休み方改善指標

活用事例集

●働き方・休み方改善指標による診断ができます

●「働き方改革」に取り組む企業の事例を紹介しています

http://work-holiday.mhlw.go.jp

厚生労働省委託事業

お問合せ先

厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課 TEL:03-5253-1111

企画・製作 株式会社三菱総合研究所

発行 2016年3月

働き方・休み方改善ポータルサイト

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http://merumaga.mhlw.go.jp/

【著作権について】

働き方・休み方改善指標活用事例集に関しての著作権は厚生労働省が有しています。 本事例集の内容については、転載・複製を行うことができます。

転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 なお、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め

厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課(03-5253-1111)までご相談ください。

【免責事項】

(2)

はじめに……… 1

Ⅰ.「働き方・休み方改善指標」について… ……… 2

Ⅱ.本事例集の活用方法について……… 3

Ⅲ.課題別の対応方策……… 4

 〜意識に問題あり〜……… 6

 〜マネジメントに問題あり〜………18

 〜仕事特性、仕事のやり方に難あり〜………23

(3)

適切な労働時間で働き、きちんと休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識 やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されま す。社員の能力がより発揮されやすい環境を整備することは、企業全体としての生産 性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。

他方、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を 及ぼす可能性が高くなり、生産性は低下します。また、離職リスクの上昇や、企業イ メージの低下など、さまざまな問題を生じさせることになります。社員のために、そ して企業経営の観点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が求められ ているのです。

まずは、企業の皆様が社員の働き方・休み方の見直し及び改善に向けた検討を行う 際にご活用いただくツールとして開発された「働き方・休み方改善指標」を用いて診 断を行ってみてください。

自社の労働時間や休暇取得の実態は問題がある水準なのか、あるいは適切な水準な のか、また改善が求められているとしたらどのような仕組みや制度が足りないのかと いうことを把握することができます。そして、自社における課題の対応方策について 検討してみましょう。

本事例集では、働き方・休み方改善指標による診断結果をふまえ、企業に対し実際 に提案した「対応方策の例」についてお示ししています。対応方策検討の際のご参考 にぜひご活用ください。

※本パンフレットにおいて「働き方・休み方の改善」とは、長時間労働等(特に週の労働時間が60時間 以上である雇用者)の労働時間の改善や年次有給休暇の取得促進を言います。

はじめに

①改善指標による  実態把握

③取組施策の実施

②課題分析・  取組施策検討 ④経過観察・

(4)

Ⅰ.「働き方・休み方改善指標」について

働き方・休み方改善指標とは、企業の人事労務担当者が労働時間や休暇取得の実態や、これに関連 する自社の取組や制度を再確認するための指標であり、今後の対策を検討する際に活用することを目 的としたものです。

この指標は「ポジションマップ」と「レーダーチャート」の2つで構成されています。多角的な視 点で設定された指標によって、自社における取組を体系的かつ構造的に捉え、企業の制度及び実態の 両面に焦点をあてて、その実態から明らかとなる指標の数値を分析・検証することで、長時間労働や 年次有給休暇が取りにくい状況になっていないか、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進につ ながる仕組みになっているかどうかの判断・評価の材料にすることができます。

指標を使うことで、次の3つが可能になります。

その1)働き方や休み方に関する問題の有無がわかります。

その2)企業の人事労務担当者が自社の状況をチェックすることで、働き方や休み方に関する実態や 課題を分析できます。

その3)企業が自社の働き方や休み方の改善に向けて、対策を検討するためのヒントが得られます。

週労働時間 60 時間以上の雇用者の割合 働き方に問題あり

働き方と休み方に 問題あり

高い 低い

D

A

S

C

B

休み方に問題あり

たとえば、自社が B に位置している場合… 長時間労働の雇用者割合が高く、働き方に問題が あります。

そこで、B⇒A、つまり、残業や休日出勤を減らし、 長時間労働者の労働時間を少なくする必要があり ます。

【ポジションマップで分かること】

 働き方と休み方のどちらに問題があるのか(ないの か)を視覚的に把握できます。

 「週労働時間60時間以上の雇用者の割合」と「年次 有給休暇取得率」を、平均値や目標値と比較することに より、自社の働き方や休み方の改善の方向性を確認す ることができます。

たとえば、

働き方は < 方針・目標の明確化 > 指標、 休み方は < 改善促進の制度化 > 指標 の得点が低い場合…

・働き方の改善に取り組むことについて、方針や目標を 明確化しているかどうかを把握する必要があります。 ・多様な休み方を行える制度が十分に整っている

かどうかを把握する必要があります。

〈方針・目標の明確化〉 指標

100%

〈改善推進の体制づくり〉 指標

〈改善促進の制度化〉 指標

〈改善促進のルール化〉 指標

〈意識改善〉 指標 〈仕事の進め方改善〉

指標

〈情報提供・相談〉 指標

項目1

項目2

項目3

項目4

項目5 項目7

項目6

項目8 〈実態把握・管理〉

指標

Vision(ビジョン) Vision(ビジョン)

System

(システム)

System

(システム)

Action(アクション) Action(アクション)

Check(チェック) Check(チェック)

50%

【レーダーチャートでできること】

(5)

働き方・休み方改善指標では、下図の4つの体系、8つの項目により、企業が行っている働き方や 休み方に関する取組や導入している制度、人事管理の仕組みなどの実施状況や整備状況を数値化し、 「働き方や休み方の実態」を体系的に把握します。

Ⅱ.本事例集の活用方法について

働き方・休み方ポータルサイトの診断ページを参照の上、自社の「ポジションマッ プ」を作成し、働き方と休み方のどちらに問題があるのか(ないのか)を視覚的に 把握してみましょう。そして、「レーダーチャート」を作成、自社の状況をチェック しましょう。

Step1

本事例集は、働き方・休み方を改善したいと取り組んでいる企業の「課題」とそ れに対する「対応方策の例」が、Ⅲ.課題別の対応方策(p.4〜5)で示されている 課題の体系で整理されています。自社が抱えている働き方・休み方に関する課題と 類似した課題について、その対応方策の例を参考としてご活用ください。

※…Ⅲ.で示している対応方策の例は、働き方・休み方の改善に取り組みたいと考えている企業(40社 程度)に対して、指標による診断およびヒアリングを実施し、提案を行った対応方策の例をお示し しております。

Step2

◦ ◦ ◦ ◦ ◦

働き方・休み方の改善を図る際のポイント

◦ ◦ ◦ ◦ ◦

▼ ▼働き方・休み方の改善に取り組む際には、Vison、System、Action、Checkについて、パッケージ

として取り組むようにしましょう!(レーダーチャートがバランスよく広がるように取り組みましょう)

例:…例えばVison(トップメッセージの発信等)は示されているがSystem(体制、制度、ルール)がない。または Actionは行われているが、Check(実態把握)がされていないために、Systemの見直しができていないなど。 ※…自社における問題の有無、及び自社のレーダーチャートのうち数値が低い指標をふまえ、『働き方・休み方改善

指標パンフレット』のⅣ2)④「改善指標を活用した対策の検討(p.19〜25)」とあわせて、自社における具体 的な対策について検討しましょう。

▼ ▼PDCAサイクルを回して

改善し続けましょう!

Plan(計画)、Do(実施)、 Check(評価)、Action(改 善)のサイクルを繰り返す こ と に よ り、V i s o n、 System、Action、Check について継続的に改善して いきましょう。

▼ ▼ 取組の主体が誰かという

ことを意識しましょう!

トップ層、人事労務担当部 署、管理職、非管理職の社 員各自がすべきこと(でき ること)が何かを意識して 取り組みましょう。

働き方や休み方の仕組みや取組に関する指標体系

1. Vision

(ビジョン)

項目1 〈方針・目標の明確化〉指標

 働き方や休み方の改善に取り組む意思を、「会社 や部署の方針」として社員に対し明確に示すこと が大切です。また、その際に目標を設定すること が有効です。

4. Check

(チェック)

項目8 〈実態把握・管理〉指標

 個々の社員の労働時間や年次有給休暇の取得状 況を「見える化」し、社員本人やその上司、会社 が把握することで、より一層の改善の取組を進め やすくなります。

2. System

(システム)

項目2 〈改善推進の体制づくり〉指標 項目3 〈改善促進の制度化〉指標 項目4 〈改善促進のルール化〉指標

 方針・目標に沿って実効ある取組を進めるため に、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進 を推進するための体制や制度、ルールを整える必 要があります。

3. Action

(アクション)

項目5 〈意識改善〉指標 項目6 〈情報提供・相談〉指標 項目7 〈仕事の進め方改善〉指標

(6)

Ⅲ.課題別の対応方策

~意識に問題あり~

~マネジメントに問題あり~

トップの意識

□ トップの長時間労働の削減や休暇の取得に関する意

識が低い

p.6

管理職の意識

□ 管理職の、自身及び部下に対する長時間労働の削減

や休暇の取得に関する意識が低い

p.7

組織・職場の風土

□ 顧客・先輩等と一緒に仕事をしているため、先に帰

りにくい、休みを取りにくい

□ 長時間労働が評価される組織風土がある(あるいは あると感じている)

□ 働き方改革に取り組んできたが、社員の考え方が変 わるまでに至っていない

p.8

p.9

p.12

一般社員の意識

□ 休んでもやることがない、早く帰ってもやることがない □ 長時間労働をいとわない

□ 年次有給休暇前・休暇明けに仕事の負荷が重くなる ことを嫌がる

□ 仕事が趣味

p.13 p.13 p.13

p.14

社員の意識の把握

□ 社員がどんな働き方を望んでいるか把握できていない p.16

体制・組織

□ 責任をもって働き方改革を推進する人・組織がない □ 働き方・休み方の改善に有益な情報を共有する体制

がない

□ ノー残業デーを設けているが、機能していない

p.18 p.18

p.19 本事例集の作成に当たり、約40社に対して働き方・休み方改善指標を用いた診断・コンサルティン グを実施し、診断等の結果確認された各社の働き方・休み方に関する課題について、以下のように「意 識」「マネジメント」「仕事特性」に分類・整理しています。また、P.6以降に、診断等で確認された実 際の課題と提案された対策をお示ししています。

(7)

~仕事特性、仕事のやり方に難あり~

仕事の進め方

□ 業務が標準化されていない □ 業務(時間)の無駄、重複が多い □ アウトプットの品質を過剰に追求する □ 必要ではないメール、会議が行われている □ 優先的な業務の仕分けができていない

p.23 p.23 p.24 p.26 p.29

仕事量の偏り

(部署、時期)

□ 特定の部署・社員に仕事が集中している□ 周囲の社員が業務を代替しにくい

□ 部署により繁忙期が異なる

□ 業務の繁閑に対応した労働時間制度を導入していない □ 中間管理職が「プレイングマネージャー」になって

いる

p.29 p.31 p.32 p.33 p.35

顧客都合の業務が多く、

調整が難しい

□ 顧客の要求に即時に対応する必要があり、業務量をコントロールするのが難しい

p.36

人材不足

□ 離職者が多いため、一人あたりの業務量が多い

□ 一部の部署・店舗の社員が少なく、一人あたりの業 務量が多い

p.38 p.39

※…診断・コンサルティングを受けた約40社とは別に、平成27年10月から12月にかけて開催された 「働き方・休み方改革シンポジウム」に登壇いただいた企業の先進事例等を、

 として紹介しています。

(8)

~意識に問題あり~

トップの意識が低い?

トップの長時間労働の削減や休暇の取得に関する意識が低い

長時間労働の削減や休暇の取得促進について、企業としての方針が明確に示さ れていないため、働き方・休み方改善のための取組が進めづらい

全社・部署・個人等で所定外労働時間や年次有給休暇の取得日数などの数値目 標が設定されていない。

トップがワーク・ライフ・バランスに向けたメッセージを発信しているが、役 員の意識が変わらないため、社内にも浸透していない。

トップが所定外労働削減・年次有給休暇取得促進を 徹底する方針について発信

トップダウンによるメッセージ発信と数値目標の設定を リンクさせる

所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針を 社外にも発信

全社で一元的な所定外労働削減、年次有給休暇取得促進の取組を進めるためには、これらを経 営課題の一つとして位置づけ、会社の経営方針の実現に重要であるという認識及び改善に向けた 取組の方針について、経営トップの全社に向けた発信が不可欠である。

発信の媒体は社内イントラネットや社内報など様々な媒体を活用し、全社員に届くよう工夫する。

社員の健康配慮等に対するトップの意識が高く、長時間労働抑制・年次有給休暇の取得促進に ついても一定のメッセージ発信がなされており、トップダウンが有効に機能している。そこで数 値目標をトップのメッセージに加えることでもう一段の取組推進が可能である。全社的な数値目 標の設定が困難な場合は、部署ごとに目標設定を行う方法も考えられる。

トップが所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針を全社員及び社外に向けて公式に発 信する。その際、所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の企業経営上のメリット(例えば人 材確保や人材育成上、モラールなどのメリット)を明示する。

社外にも発信することを通じて、所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針の役員以下 全社員への定着を図る。また、役員の意識改善に向けて、役員自身の休暇取得促進をあわせて実

課題その1

課題その2

課題その3 対 策

対 策

対 策 方針・目標の明確化

(9)

管理職の意識が低い?

参考となる取組事例

トップメッセージの発信(Happy8活動)(日産自動車株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成27年) 日産自動車株式会社講演資料

管理職の、自身及び部下に対する長時間労働の削減や休暇の取得に関する意

識が低い

管理職の人事評価にワーク・ライフ・バランスや部下の人材育成についての項 目がない。

管理職の人事評価に部下の長時間労働抑制・年次有給休暇取得促進が盛り込ま れていない。

人事評価項目にワーク・ライフ・バランスや 人材育成の項目を組み込む

管理職の人事評価項目にワーク・ライフ・バランス管理に 関する項目を設定する

組織としての長期的視点から人材確保・人材育成も重要であるため、マネジメント層を中心に、 人事評価項目にワーク・ライフ・バランスや人材育成についての項目を組み込む。

適正な労働時間の管理、年次有給休暇の取得促進は、社員の労働生産性を高め、質の向上、優 秀な人材の確保その他さまざまな効果が期待できる。また、社員のワーク・ライフ・バランスの 実現には、上司のマネジメント能力によるところが大きい。

このため、管理職の人事評価に管理職本人及び部下のワーク・ライフ・バランス管理について の項目を組み込み、上位層になるにつれ、ワーク・ライフ・バランス管理への評価の重要度を高 める。例えば、働き方については部下の労働時間、休み方については部署内の年次有給休暇の取 得目標値の達成度等を評価項目に組み込む。

実施に当たっては、労働時間及び年次有給休暇の取得について、管理職本人及び組織や部下一 人ひとりの数値目標を設定することで、目標が明確となり遂行しやすくなる。

課題その1

課題その2 対 策

対 策

改善促進のルール化

(10)

管理職層の年次有給休暇の取得率は総じて低いが、その原因として、世代的に 年次有給休暇の取得促進に対する意識が低いことが考えられる。

トップのメッセージを全職員に発信

管理職層の「現状の労働環境(労働時間が長い)のままでの女性職員の活躍」という意識を変 えるため、トップから、女性職員の活躍推進にはワーク・ライフ・バランスの実現が不可欠であ ることを明確にしたメッセージを発信する。また、メッセージに所定外労働時間や年次有給休暇 取得日数に関する数値目標を含むことも検討する。

課題その3

対 策

顧客・先輩等と一緒に仕事をしているため、先に帰りにくい、休みを取りにくい

客先に派遣している社員は、客先の社員が休みをあまり取得して いない中で、休みを取りたいと言いづらい。

管理職が長時間労働の場合、部下も長時間労働となる傾向にある。

所定外労働の実施が社員各人の判断に任されており、その結果「付き合い残業」 が常態化している。

年次有給休暇取得促進を目的とした取引先との関係見直し

管理職の長時間労働を解消する仕組みの導入

管理職による所定外労働の事前承認制を設ける

一定期間ごとに年次有給休暇の取得計画を作成し、取引先(派遣先)に対して自社の年次有給 休暇取得促進に向けた取組を説明し、配慮と理解を求める。

管理職に対して(会社の)定時退社を促す仕組みを検討する(管理職を対象とした定時退社推 奨日、定時退社推奨月間等の設定等)。

所定外労働を行う場合は、管理職への事前申請・承認を要することとし、部下は、終業時刻前 に、①業務量と残業する理由、②残業予定時間を上司に申請するルールを設ける。

管理職は部下からの所定外労働の申請に基づいて、本当に当日実施することが必要な業務か否か 課題その1

課題その2

課題その3 対 策

対 策

対 策

客先

方針・目標の明確化

改善促進の制度化

改善促進の制度化

改善促進の制度化

(11)

※…導入に当たっては、試験的に、一部の部署や事業所または特定の曜日のみで取組を開始し、長時間労働の抑制に効 果が見られた事例を元に運用ルールを整備し、対象の部署や事業所、曜日を拡大する。

半期に一回、年次有給休暇の取得促進をポスター掲出により周知しているが、 それ以上の取組はなく、年次有給休暇取得促進の実効性は乏しい。

実効性を高めるポスターの掲示

年次有給休暇の取得促進に向けた啓発ポスターを掲出しているものの、取得率が低調であるこ とから、取得促進に向けた意識醸成に結びついていないおそれがある。

そこで、ポスターに、トップやそれぞれの部署や事業所で定めた年次有給休暇の取得率に関す る目標値を記入するなど、目標値が設定されていることを啓発するようなデザインに改修し、目 標値達成に向けた意識の醸成を図る。

課題その4

対 策 意識改善

長時間労働が評価される組織風土がある(あるいはあると感じている)

「成果を出すためには長時間労働も仕方がない」、「長時間労働が評価されるは ずである」と考えている社員がおり、その結果として、長時間労働が発生して いる可能性がある。

効率指標としての「時間当たり成果」を人事評価項目に 加える

「時間当たり成果」を人事評価項目に加え、「時間」ではなく「効率性」で評価するようにする ことで、社員の行動パターンの変化を促す。

課題その1

対 策 改善促進のルール化

参考となる取組事例

各職場の目標入りのポスター掲示 (日本特殊陶業株式会社)

トップメッセージ 「真のワークライフバランスを実現」 総実労働時間の削減啓発ポスターを各職場での目標を記載して掲示

(12)

長時間働くことを評価する意識が残っている部署・個人が存在し、効率よく仕 事を行うことがあまり得意ではない社員が一部存在する。

現場の仕事の進め方の改革、効率的な業務遂行に向けた インセンティブの付与

組織業績の評価項目として、売り上げに対する人件費を含むコストを削減して付加価値を高め る、又は時間あたり売上高を高めるといった指標を組み込むことで部署としての効率的な業務遂 行を評価する仕組みを導入し、部署全体での長時間労働削減の動機付けを行う。

※…評価に当たっては、部署メンバーへの賞与へ反映することにより、所定外労働の削減により処遇に影響が及ばない 仕組みとすることも有効である。

課題その2

対 策

フレックスタイム制のため、夜遅くまで勤務する社員も見られ、その結果長時 間労働となっている。

朝型勤務を奨励

業務遂行の効率化等の観点から、残業ありきの働き方を見直し、所定労働時間内の勤務を基本 とした上で、夜型の勤務から朝型の勤務を推奨し、長時間労働の改善を図る。

このため、コアタイムの時間帯を一定時間(例:1時間)前倒しし、朝の時間帯に集中して業 務を行い、早期の退社を促す。

課題その3

対 策

時間をかけた働き方を評価する職場風土を変える

×

費やす時間に仕事の質は比例する

   →時間をかけても質が向上しない仕事内容に    →短時間に質の高い仕事をすることが大事に       

×

長時間労働は頑張っている証拠だ

   →仕事の評価ではかけた時間を考慮すべき    →生産性=(仕事の質×量)÷労働時間

×

早く仕事を覚えたいなら、寝る時間も惜しんで苦労すべきだ

   →時間をかけることが、自動的に能力開発に結びつくわけではない    →能力開発に結びつくような仕事の経験の仕方・させ方が重要

×

長時間にわたり職場空間を共有すればチームワークが高まる    →時間共有以外の方法で情報共有が可能な時代に

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成27年) 佐藤博樹教授講演資料

改善促進のルール化

改善促進の制度化

(13)

【取組概要】

●深夜勤務(22:00-5:00)は、「禁止」として完全消灯。

20:00〜22:00の勤務は「原則」禁止とし、残業が必要な場合は…「翌日朝勤務」へ シフト。

 *…欧州等時差のある地域との取引や突発的な対応等を行う為やむを得ず20:00以降 勤務を行う場合は、上司への事前申請の上認めている。…

●翌日朝勤務(5:00~8:00)に対するインセンティブ

深夜勤務と同様の割増賃金支給…(時間管理対象者:150%/時間管理対象外:25%)。 8:00前始業社員に軽食無料配布。

【取組効果】

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成27年) 伊藤忠商事株式会社講演資料 取組効果は伊藤忠商事株式会社資料(平成28年1月)

参考となる取組事例

(14)

働き方改革に取り組んできたが、社員の考え方が変わるまでに至っていない

これまで、社内でたびたび働き方改革を行い、様々な施策を打ってきたが、一 過性の結果にしかならず、「働き方」「休み方」の基本的な考え方を変えるまで には至っていない(特に管理職層の年次有給休暇取得率は低調)。

意識改善のための【管理職層に対するマネジメント力向上等を目的とした実習 型研修】の実施

年次有給休暇の取得促進のためには、管理職本人の意識改革を行うことが必須である。そこで、 管理職本人の休み方改善を推進するための研修を行う。また、働き方・休み方に課題のある部下 の長時間労働の抑制及び年次有給休暇取得を促進するため、部下の働き方・休み方マネジメント 教育・研修を行う。

※人事評価に長時間労働の抑制及び年次有給休暇取得を組み込むこととセットで行うことがより有効である。 課題その1

対 策

ワーク・ライフ・バランスについて、トップメッセージをウェブ社内報で掲載 しているものの、働き方改善への意識の変化が感じられない。

メッセージの発信方法・発信頻度及び内容を改善

トップメッセージであるにもかかわらず、イントラネットのみによる情報発信では、他の「任 意確認」情報に埋もれてしまい、社員に届いていない可能性がある。

そこで、例えば「働き方・休み方改善推進」ポスターの掲出や、別冊社内報として冊子にする など、社員に確実にメッセージが届く方法に変更する。引き続きウェブを活用する場合は、掲載 サイトへのアクセスと内容の確認を促す工夫を行う。

また、メッセージの内容についても、定量的な目標を掲げる方がメッセージの効果が高いこと から、例えば、トップ自ら所定外労働時間や年次有給休暇の取得日数についての全社的な数値目 標を設定し、その目標値をポスターにして掲出を行う等の対策を実施する。さらに、定量的な目 標や取組の進捗等について定期的にトップメッセージを発信することで浸透を図る。

課題その2

対 策

意識改善

(15)

休んでもやることがない、帰ってもやることがない

長時間労働をいとわない

年次有給休暇取得前・休暇明けに仕事の負荷が重くなることを嫌がる

仕事にやりがいを感じており、また退社して特段やりたいことがあるわけでもな いため、長時間労働や休暇を取得しないことに対して問題意識を持っていない。

休暇前・休暇明けに仕事の負荷が重くなることを嫌がり、 年次有給休暇取得が進まない。

一般社員の人事評価に、本人の働き方の管理に関する項目がなく、ワーク・ライ フ・バランスに対する意識が低い。

社員向けの教育・研修を行う

年次有給休暇の計画的付与制度の導入

一般職員の人事評価項目にワーク・ライフ・バランス管理に 関する項目を設定する

長時間労働は仕事効率の低下を生み、健康障害リスクをも潜在させる。そこで、長時間労働と 健康・仕事効率の関係、仕事以外の時間の重要性などを社員に認知してもらうため、全社員の受 講を義務とする教育・研修を行う。

年次有給休暇の計画的付与制度を導入し、例えば、アニバーサリー(メモリアル)休暇を個人 別付与の対象、夏季休暇を部署別等の一斉付与(7月から10月までに5日程度の連続する休暇 等)の対象とし、年次有給休暇の取得促進を図る。

また、社員に対して、休暇の付与日が事前に定まっていることを踏まえ、計画的に業務を遂行 するよう意識付けを行う。

一般社員の人事評価の一部に、ワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を組み込む。 本人のモチベーション等にも配慮した上で、労働時間や年次有給休暇に関する個人目標値を設定 し、達成度合いを人事考課にも反映させることで、社員全体のワーク・ライフ・バランスに関する 意識を高める。

また、業務を効率的に遂行することができるように意識づけ、その行動を評価項目として評価 することを検討する。

課題その1

課題その1 課題その2

対 策

対 策 対 策

意識改善

改善促進のルール化

改善促進の制度化

(16)

仕事が趣味

社員の意識が休暇取得よりも仕事のため研究をすることに向いており、 年次有給休暇を取得する意識が低い。

年次有給休暇の取得率の低い社員に対して、積極的な取得促進や情報提供が行わ れていない。

「記念日休暇」、「誕生月休暇」等の

アニバーサリー(メモリアル)休暇を設ける

年次有給休暇取得率の低い上司自身及び取得率の低い部下を持つ上司に対して、 一定期間ごとにメール配信を行う

年次有給休暇の計画的付与制度の導入

就業規則に、「記念日休暇」、「誕生月休暇」等のアニバーサリー(メモリアル)休暇を規定し、 制度化する。制度の運用に当たっては、記念日の対象となる社員をきちんと把握したうえで、該 当者に希望日をヒアリングし必ず反映する、誕生月が繁忙である場合などは、前後の月への休暇 の振替を前もって行うことにより業務への影響を最小限に抑えるなど、休暇の利用促進するため の柔軟なルールを定め、実行する。

(ケース1)

現在行われている副社長から管理職に対する長時間労働に対する改善促進メールを拡大し、年 次有給休暇取得促進に向けての意識も高めるため、休暇の取得日数が一定水準(目標)を下回る 者を、改善促進メールの対象とする。

(ケース2)

現状でも、年次有給休暇取得促進の一環として、取得率の定期把握、現場に対する現状確認を 行っているが、それにもかかわらず全体の取得率は50%を下回っている。

そこで、事業の年度初めに、トップが年次有給休暇の取得率や取得日数の目標値を定め、上司 自身や部下が目標を下回っている場合、管理職に対し、人事からトップの代理として、定期的に メール等で注意喚起を行うことを検討する。

※…部下の取得現状を把握した上司は、休暇のメリット等を部下に情報共有することにより休暇取得の意識醸成を図る など、積極的に年次有給休暇の取得を促すようにする。

就業規則を改定し、年次有給休暇の計画的付与を実施する。実施にあたっては、仕事の切れ目な どを勘案し、部署ごとに各個人の希望も考慮する。状況に応じて、交代での休暇取得も検討する。

繁閑のある職場においては、閑散期を対象とした年次有給休暇の計画的付与日を設定し、年次 有給休暇の取得促進を図ることで、取得の進まない社員についても計画的に取得ができる環境を つくる。

課題その1

課題その2 対 策

対 策 対 策

研究職

改善促進の制度化 改善促進の制度化

(17)

アニバーサリー(メモリアル)休暇とは

休暇の取得に対する職場の理解を得やすくする ため、従業員本人の誕生日や結婚記念日、子供の 誕生日などを「アニバーサリー(メモリアル)休 暇」とし、年次有給休暇の取得を促進することが できます。こうした誕生日や記念日はあらかじめ 日にちが確定しているので、年次有給休暇の計画 的付与を実施しやすくなっています。

この方法は年次有給休暇付与計画表による個人 別付与方式に活用されています。

カレンダーの例

は所定休日

A さんの誕生日5日を含む連続3日間を アニバーサリー休暇として設定

は年次有給休暇の計画的付与

9月

2 3 4 5 6 7 8

9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

月 火 水 木 金 土

1 コーヒーブレイク

参考となる取組事例

バースデーホリデーキャンペーン (シスコシステムズ合同会社)

(18)

社員がどんな働き方を望んでいるか把握できていない

労働時間・年次有給休暇の取得状況について、全社員の意識を把握する機会が ない。

休暇の取得についての意識や意向の把握は行っていない。

過去にイベント的に社員意識調査を行って以来、社員意識調査が行われていない。 社員意識調査の実施

社員意識調査による休暇に対する意識の収集

定期的に社員意識調査を行う

既に行われている社員意識調査に、自身の労働時間や帰りやすさ、休みの取り方・取りやすさ などについての調査項目を追加し、社員が現在の働き方・休み方にどのような意識を持っている かを把握する。

既に行われている社員意識調査に、社員の休暇の取得に関する意識の項目を追加して実施し、 結果を分析する。取得が進んでいない一部の社員の取得が進まない理由などの情報を参考に、取 得日数の底上げを図るための対策を講じる。

意識の変化は、同様の調査を定期的に行うことで把握が可能となることから、前回と同様又は 簡素化した方法により、社員意識調査を定期的に行う。調査結果については、前回の結果との比 較を行ったうえで、トップへの報告や人事労務担当部門が改善施策を検討する際の参考とする等 に活用する。

課題その1

課題その2

課題その3 対 策

対 策

対 策

実態把握・管理

実態把握・管理

実態把握・管理

(19)

社員意識調査の項目案

コーヒーブレイク

カテゴリー No. 項目名(総合指標)

基本情報 ※回答者の属性に  関する情報で  分析に用います

1 性別 2 年齢(階級) 3 所属部門 4 資格等級 5 役職

6 その他(必要に応じて家族状況等)

問1 仕事・自分に

関する意識

1 会社の目指す姿、方針への共感 2 ミッションの明確さ

3 仕事の有意義さ 4 仕事での創意工夫 5 仕事を通じた自己成長 6 会社での自分の将来性 7 能力に見合った仕事の負荷 8 仕事のやりがい

9 CSのESへの連鎖意識 10 顧客ニーズ把握への取り組み 11 専門知識、業務スキル、経験深化の取り組み 12 役職認識と遂行

13 新しいことへのチャレンジ 14 チームワークへの積極性 15 部署を超えた連携・協働 16 ネットワークづくりの積極性 17 社外での活躍自信

18 自主的・自律的な取り組み

問2 職場 *「職場」定義 →最も小さな組織単 位、最初級管理職が 管理する組織単位

1 職場での自由活発な話し合い 2 職場での情報共有

3 職場メンバーでの役割認識と遂行 4 職場でのあるべき姿議論 5 職場でのチャレンジ雰囲気 6 職場メンバー間の相互承認 7 職場での自発的な助け合い 8 職場の相互啓発の雰囲気 9 職場の人材育成の雰囲気 10 職場での目標とする人物の存在 11 部署を超えた連携

12 仕事に役立つ情報の整理・利用 13 職場の活気

問3 上司

1 上司による会社・職場ビジョン明示 2 上司の業務マネジメント

3 上司の指示・指導 4 上司の日頃の活動への関心 5 上司の負荷調整

6 上司の報連相対応 7 上司の奨励・褒め 8 上司の手助け 9 上司の適切な意思決定

10 上司の知識・技能・経験の豊富さ 11 上司のキャリア開発支援 12 上司の役割認識と遂行 13 上司マネジメントの信頼度

カテゴリー No. 項目名(総合指標)

問4 人事

1 評価の納得感

2 チャレンジに対する評価 3 働きに見合った賃金 4 昇進・昇級の適切さ 5 キャリアプランへの役立ち 6 役割の明確さ

7 上司と十分な話し合いによる目標 8 面談時の上司指導

9 育成ローテーション 10 外部研修派遣 11 人事制度満足度

問5 コンプライアンス

1 遵守意識(本人)

2 遵守意識(同僚、部下、上司) 3 コンプライアンス違反・懸念の報告 4 相談に対する組織的対応

5 セクハラ・パワハラ 6 情報セキュリティ管理 7 知的財産権管理 8 上司/顧客指示への従属 9 前例踏襲

10 都合の悪い事実の報告しやすさ 11 職場内の相互チェック

問6 全体に対する 全体的な気持ち

1 職場環境改善取組みの上司による情報共有

2 職場環境改善取組みの会社による情報共有

3 職場環境改善の必要性 4 職場環境改善への取組み 5 部門間連携の仕組み 6 全社横断の風通しの良さ 7 ワークスタイルの多様化 8 ワークライフバランスの推進 9 仕事と生活の両立

(20)

~マネジメントに問題あり~

責任をもって働き方改革を推進する人・組織がない

働き方・休み方についての有益な情報を共有する体制がない

長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を推進する社内体制が明確でない。

店舗間の情報共有に関するルールがないため、働き方・休み方について の有益な情報が横展開できていない。

労使協調による話し合い体制を整える

働き方・休み方改善の推進に向けた社内体制の構築

労働時間等設定改善委員会など労働時間や休みの取り方に特化して協議する委員会を設置す る。あるいは安全衛生委員会等の既存の委員会において、「働き方・休み方」の改善を安全衛生 の向上に資する内容として検討事項に盛り込み、改善の推進を図る。

好業績を継続する店舗を把握し、その中から労働時間や休暇取得状況が優れている店舗の働き 方・休み方の実態を抽出し、安全衛生委員会等でも情報共有を行い、全社的に展開するための方 策検討を協議事項とするなど、働き方・休み方の改善推進について労使で検討するための社内体 制を整備する。

上述の好事例について、管理職層が出席する会議等の機会に、当該店舗の長自らが、自店舗の 働き方・休み方について紹介する時間を設ける。

また、働き方・休み方改善の相談先として、相談窓口となる担当者を配置し、社員に対して積 極的な利用を促す。社内の窓口の他、社外の専門家(例えば社会保険労務士)の活用なども検討 する。

課題その1

課題その1 対 策

対 策

店舗管理職

改善促進の体制づくり

改善促進の体制づくり

(21)

ノー残業デーを設けているが、機能していない

ノー残業デーを設けているが、運用を現場に任せているため、機能していない 部署・事業所もある。

ノー残業デー対象日から、所定外労働の事前申告・承認制度を 試験的に導入する

所定外労働を行う際に、部下から上司に対し、事前に「業務内容」及び「所要時間数」の予定 を申告させ、上司が承認を行う制度を、現行のノー残業デー実施日に試験導入する。

上司は、部下からの申告内容が適正かどうか、加えてあえてノー残業デーに必ず遂行すべき内 容かを精査し、申告の承認を行う。部下には、「ノー残業デー」であることを改めて意識させる 機会となり、管理職にとっても、部下の現在の業務の状況を定期的に把握する機会となる。

さらに、上記の取組が定着し、改善の効果が認められれば、対象を全所定労働日に拡大し、所 定外労働の常態化の抑制に繋げる。

※…上記のルールを徹底するため、事後申請が行われた場合には、上司に対し、その理由の分析及び再発防止対策を実 施させることも検討する。

※…フレックスタイム制の対象者の場合は、当日の勤務開始時から標準の1日所定労働時間が経過した時間を終業時間 として、当日はそれを超えた時点で所定外労働とみなし、事前許可申請の対象とすることも検討する。

課題その1

対 策

改善促進のルール化

参考となる取組事例

マネジメントポータルサイトの整備(シスコシステムズ合同会社)

(22)

マネジメントが標準化されていない(属人的な組織運営)

マネジメントの必要性を認識していない

組織運営のあり方の標準化がなされておらず、上長の考え方やワークスタイルな どにより、十分なマネジメントがされず、部下の働き方や休み方が左右される。

組織的に顧客を管理する等業務運営を工夫している部署・事業所の業績が良い 傾向にあることが情報共有されていない。

中途採用の社員が多いため、各職場を統括する管理職のマネジメントに対する管 理責任の意識が統一されておらず、マネジメントの状況が部署によって異なる。

管理職層のマネジメント力向上を図るための研修

組織的対応を評価する仕組みを導入 管理職の管理責任の明確化

管理職のマネジメントレベルの平準化を図るため管理職研修を実施する。研修の内容は、人材 育成、管理職本人の働き方・休み方改善の推進、部下の働き方・休み方マネジメントなどとし、 管理職本人の意識改革を図る。

また、各社員の業務負荷を勘案して、関係部署、関係会社等と部署内の社員の役割分担の適正 化を図り、社員の業務の効率化と適正化を図るためのマネジメント力を高める研修を実施する。

実施方法については、事例研究、社内における課題と対策の討議など、座学に加えてグループ ワークなどによる実際に即した対策を考えて実施できるような研修を行う。

組織的な管理を行うことが高業績に繋がっていることを情報として共有し、さらに、組織的な 対応による顧客マネジメント等業務運営の工夫を行っていることを管理職の評価に組み込むなど、

部署の労働時間及び年次有給休暇の取得状況の管理は管理職が行う責務があることを明確にす るとともに、管理者に対する意識付けや管理能力の付与を図るため、必要な研修を行う。研修等 によって適切な管理能力を備えた管理職を配置することにより、各職場の適切な労働環境管理や 社員の帰属意識・サービスの質の向上なども期待される。

課題その1

課題その1 課題その2

対 策

対 策 対 策

改善促進のルール化

意識改善

意識改善

(23)

店舗ごとの売上げは把握できているが、営業成績の優れた店舗について、 成功要因や働き方・休み方の状況等について把握できていない。

店舗における働き方などの実態把握及び情報共有

ワーク・ライフ・バランスと営業成績を両立している店舗(=ロールモデル)の働き方・休み 方の実態、両立できている要因を店長から聞き取るなどして把握・整理するとともに、店舗マネ ジメントの好事例として社内報・イントラネットなどで情報共有を行い、企業全体として働き 方・休み方の改善を推進する。

課題その2

対 策

店舗管理職

情報提供・相談

管理職向け研修の項目案

コーヒーブレイク

1.中間管理職の役割

(1)上下のつなぎ役としての役割について

(2)トップマネージメントにコミットする「戦略志向型のマネージャー」としての役割

2.業績評価の視点 (1)良い仕事とは

(2)会社のビジョン、バリューとの調和 (3)顧客満足に寄与する行動

(4)本人の動機・特性との整合性

(5)結果だけを見るのか、プロセスも評価をするか-プロセスを評価する際の留意点 (6)成果指向型"組織風土づくり

(7)企業の強みは協働力・組織力

3.ワーク・ライフ・バランス

(1)労働時間と有給休暇取得の実態

(2)ワーク・ライフ・バランスの企業経営上の意義 (3)働き方に関する法制度

(4)働く環境とワーク・ライフ・バランス-働き方の改革 (5)多様な働き方選択のメニュー

4.マネジメントのあるべき姿

(チームメンバーの能力の洗い出しと仕事の入り具合の把握を踏まえた仕事の配分、進捗 管理の徹底が重要)

(1)マネージャーに求められる役割と能力

 ①役割と能力、②必要とされるマネジメントスキル (2)マネジメント能力:演習グループワークなど

 …①業務の棚卸と配分、②タイムマネジメント、③問題解決力の向上、④マネジメント の進め方

(3)チームの活性化:演習グループワークなど

(24)

イクボス十か条(NPO法人ファザーリング・ジャパン)

コーヒーブレイク

①理  解 …:…部下の「大切にしている私生活」と、部下の「将来のキャリア」を、理解

し応援していること。

②多 様 性 …:…時間制約のある部下を差別せず、重要な会議は日中にやるなど、ダイバー

シティ経営をしていること。

③知  識 …:…社内制度(育休制度など)や法律(労基法など)を、理解していること。

④組織浸透 …:…私生活を軽視せず積極的に時間を割くよう、管轄している組織(部など)

全体に推奨し、広めていること。

⑤配  慮 …:…転勤や単身赴任など、部下の私生活に大きく影響を及ぼす人事については、

最大限の配慮をしていること。

⑥業務改善 …:…育休・介休取得者などが出ても業務が滞らないよう、情報共有やチーム

ワーク醸成の手段を講じていること。

⑦時間捻出 …:…会議・書類・メールの削減、やらなくていいことを決める、意思決定の迅

速化などで、時間を捻出していること。

⑧提  言 …:…ボスの上司や人事部などに対し、社員の私生活に配慮した経営をするよう、

提言していること。

⑨自らWLB …:…ボス自ら、仕事×私生活×社会活動など、ワークライフバランスな生活を

満喫していること。

⑩業績達成 …:…組織の長として、職責を全うし、計画や目標の達成とコミットメントに、

強くこだわっていること。

(25)

~仕事特性、仕事のやり方に難あり~

業務が標準化されていない

業務(時間)の無駄、重複が多い

業務手順書等がないため、繁忙期に外部人材を雇用してもうまく活用できない。

決裁等に手間をかけすぎる部分がある。

退職や人事異動、育児休暇取得時など、業務の引継ぎに時間をとられ、負荷が 増大することも残業の増加要因となっている。

仕事の棚卸及び手順書の作成等の業務の標準化

組織運営・決裁権限の見直し

人事異動や退職、育児休暇等に伴う業務引継ぎの効率化

業務の棚卸を行い、さらに業務手順書を作成する。

また、作成した業務手順書については、繁忙期等における新規人材の教育に活用し、働き方・ 休み方の改善促進に役立てる。

現在の組織運営の在り方を再度検討し、特に決裁権限について企業経営上の観点、リスク対策、 事業運営の効率性の観点などから見直すなど効率化を行い、業務の効率化に繋げる。

異動や退職、育児休暇等の際に、引継書を作成して上司が承認し、業務の引継が行われている が、さらなる効率化に向けて、実施方法の改善を図る。

引継書は、業務全体が俯瞰できるものとし、業務の流れ、社内外の関係者とのつながり、資料 を明示する。資料については資料一覧と格納先をリストアップし整理しておく。

引継書の作成については、過去に作成したものをベースに、半期や四半期、プロジェクトの節 目などに、引継書の改訂を行っておくことにより、引継ぎ時の負担軽減を図る。

課題その1

課題その1

課題その2 対 策

対 策

対 策

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

(26)

日中は社外で業務を行い、事務処理等のために会社に戻る必要がある。

工事系業務に従事している社員は、日中に現場、夕方から事務処 理を行っているため、特に長時間労働が常態化している。

在宅勤務制度の導入

事務処理業務の効率化

在宅勤務制度は、働き方の選択肢を増やすことにつながり、効率的な業務遂行にも資するもの であることから、積極的に導入を推進する。

まずは試行的に実施し、その結果を踏まえて正式な制度として導入する。

また、導入に当たり、自宅や外出先等からでも自己申告を可能とすることで、労働時間の適正 な把握を実施する。

現場業務の終了後に実施する事務処理業務について、文書作成の内容を必要最小限に絞ること や、チェックリスト方式を採用するなど業務時間の削減につながる手法の導入を検討する。

その上で、帰社後の事務処理時間を、例えば1時間以内に終えるなどのルールを設定し徹底す ることで、所定外労働の抑制に向けた工夫を行う。

課題その3

課題その4 対 策

対 策

アウトプットの品質を過剰に追求する

職人気質で効率よく仕事を行うことがあまり得意ではなく、時間効率性の意識 の低い社員が多い。

現場の仕事の進め方の改革、効率的な業務遂行に向けた インセンティブ付与

前年に比べて、売り上げに対する人件費を含むコストを削減して付加価値を高める、又は時間 あたり売上高を高める、といった指標を設定して、部署としての効率的な業務遂行を評価する仕 組みを組織業績として設定し、部署メンバーへの一時金(ボーナス)などに反映することにより、 部署全体での長時間労働抑制の動機付けを行う。

課題その1

対 策

現場職

仕事の進め方改善

(27)

若手・中堅社員の育成過程において、必要以上に労働時間が長くな りがちである。

企画業務に関しては、成果物の質の水準が明確でないものもあり、 残業を増やす要因となっている。

育成時間の明確化

仕事の完成・成果の基準の明確化

管理職は部下に対して育成のために必要な労働時間と他の労働時間とを識別して必要な業務を 明確にする。

課題その2

課題その3 対 策

対 策

若手・ 中堅社員

企画職

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

社内向け説明資料について、必要以上に質の高い資料を作成するために、手間 がかかっている。

資料内容の簡素化及び枚数上限設定

資料の内容に関する必要性の再検討を行い、簡素化・標準化や資料枚数の上限の設定について 検討する。検討にあたっては、社内横断的に各部署から構成される委員会を作り、各部署から資 料の簡素化等に対する意見を収集し、案を取りまとめる。

さらに、取りまとめた案をもとに、各書類の担当役員をはじめとした提出先との調整を行う。 提出先の了解を得るため、必要に応じて従来通りの資料作成にかかるコストと簡素化を行った場 合の資料作成コストを計算し、費用対効果の数値を提示して理解を求める。

必要最小限の業務の投入により一定の品質を達成するためには、仕事の完成・成果の基準を明 確に示すことが必要不可欠である。

課題その4

(28)

メールにかかわる時間の削減・効率化と メールそのものの削減

メールの受信・送信を削減するため、例えば、メールの転送に当たっては、転送先を必要最小 限とするよう検討することや、メールの送信に当たっては、TOはメールへの返信をしてほしい 相手、CCはそのやり取りがあったことを知っておくべき相手を入れることを改めて理解させ、 宛先を必要最小限すること等のメールの利用ルールを設定し、徹底を図る。

対 策 仕事の進め方改善

必要ではないメール、会議が行われている

長時間働くことを良しとする文化はないが、ミーティングやメールが多い(減 らない)ことがネックとなっている。

会議の効率化

会議を開かないという選択肢の検討

会議の効率化に関しては、既に経営陣の発信による「出席している会議に完全に集中(メール や電話は禁止等)」、「貴重な時間を最大限有効に活用するように会議を実施(明確な意思決定、 会議に必要な人のみが出席等)」等の取組を行っているが、この徹底を促進する。これに加えて、 決められた会議時間内に決定をする、会議に提出する資料枚数の上限を定める等具体的なルール を設定する。

なお、会議の開催が定時以降になる場合は、担当役員の承認を得ることとし、会議により所定 外労働が発生することを防ぐ。

これまで会議を行ってきた議事事項について、決定権限を委譲することにより、会議の開催を 省略することが可能かどうかを検討する。

課題その1

対 策

対 策

仕事の進め方改善

(29)

参考となる取組事例

参考となる取組事例

ダメ会議10のチェック(三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社)

ともに勝つためのマニフェスト(Winning Together) (ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成27年) 三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社講演資料

(30)

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成27年) シスコシステムズ合同会社講演資料

出典:働き方・休み方改革シンポジウム(平成27年) 日産自動車株式会社講演資料

在宅勤務の導入により、生産性の向上が図られた(在宅勤務の頻度増加(89%)、社内イ ンフラへのアクセス性の向上(73%))。また、在宅勤務導入前に比べて社員満足度が高まっ ている(仕事を続けるうえで在宅勤務は必須である(100%)、在宅勤務で通勤時間を別の ことに充てられる(69%))。※社員意識調査より

在宅オフィス仮想環境ツール

希望する社員に自社製ルーターとビデオIP電話機、 ビデオ会議システムを貸し出し、自宅からも同じ環 境で業務を可能にする。

グローバルのどの地域の社員ともウェブ会議が可能。 ビデオ共有、資料の共有や修正も双方向に可能。

参考となる取組事例

参考となる取組事例

在宅勤務を導入した働き方(シスコシステムズ合同会社)

(31)

優先的な業務の仕分けができていない

業務を受注する段階で、厳密な採算性の確保と受注判断を行っているものの充 分ではないため、より付加価値の高い業務に人的資源投入を集中させることが できていない。

受託する業務の採算性や特性による選別受注

発注される業務について、採算性、納期は十分確保されているか、などの特性を把握し、一定 の基準の下に選別受注を行う。これにより、採算性の低い短期業務の受注に伴う所定外労働の抑 制につなげる。

具体的には、業務に係る人件費の原価計算の際に、所定外労働を行わず、かつ、年次有給休暇 を完全に取得した場合の人件費や納期を計算し、それらを基に見積りを行い、見積りと発注条件 とのギャップを一つの判断材料とする。

課題その1

対 策

特定の部署・社員に仕事が集中している

特定部門において、年間を通じて業務多忙となっている。

特定の研究員に業務が集中している。

部門間の業務の平準化と多能工化の促進

業務領域の拡充を通じた業務集中の是正

各部門・職種において必要とされるスキル等は異なることから、部門間・職種間で人材を融通 しあえる仕組み作りのため、業務の平準化、簡素化を行い、基本スキル共有化のための研修、部 署間ローテーション等の実施を検討する。

各研究員の専門分野への「タコツボ化」を是正し、専門性を深めつつも、その周辺の専門分野 の業務も行えるよう、各研究員の業務領域の幅を広げるための研修を行う。その際、研究員の業 務領域の幅を広げることのメリットを理解させることに配意する。

課題その1

課題その2 対 策

対 策

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

(32)

社員各人の業務負荷が把握できていない。

月の所定外労働60時間以上の社員の上司は、長時間労働是正のための改善報告 書を作成・提出させ、役員までの確認を要するルールを設けているが、その後の改 善状況に関するフォローはなく、60時間以上の社員のリストは常連化している。

店舗において、責任者であるリーダーの業務が多岐にわたることが長時間労働 を招いている。このようなリーダー業務の現状から、女性社員がリーダーへの 登用を拒むようになっており、女性社員の登用が進まない。

仕事の棚卸を行う

把握した実態・改善提案の経過観察を進め改善を推進する

リーダー業務の棚卸・他職位への作業分配を行う

仕事の棚卸により各人の業務負荷を見える化し、長時間労働に繋がるような重負荷業務につい ては、業務分担の調整を行い、業務を平準化する。

負荷の軽減はメンタルヘルスにも有効に作用し、また、仕事が棚卸できれば、職務価値の分析、 職務評価にも利用できる。さらに、棚卸の結果については、会社への貢献度を基準とした評価を 行うための基礎として活用することも期待できる。

改善報告書等は、報告させるだけではなく、報告後の経過の観察、フォローまで行うことで実 効性が確保される。

まず、改善報告書等については、報告の内容の精査が必要であり、具体的には、①原因が適格 に分析されているか、②改善対策は分析した原因に対応したものとなっているか、③改善対策は 実現可能なものであるか、④改善目標の達成期日は設定されているか、設定された期日に無理は ないか、等の点について審査を行う。

次に、報告した所属長をリーダーとして改善報告書に記載した改善取組内容を承認・実施へ移す。 取組実施後のフォローについて、報告書の実施期限経過後、取組の結果の報告を受けて、効果を 挙げていない取組についてはその原因を分析して対策を講じる。例えば、該当部署だけで推進する ことが難しい取組については、企業全体で対策を推進するための体制の整備について検討する。

最終承認者である役員は、部署単独で行われた取組、企業全体で推進すべき取組のどちらも、 責任をもって管理・観察し、報告書に記載した取組の結果が未達成であった場合には説明を求め るなどにより、「報告書の作成までが自らの責務」といった所属長の意識も改革していく。

リーダーの業務は、現場スタッフの管理、配達コース管理を含め、自らも配達業務を担うなど、 管理業務とスタッフ業務の両方に幅広く従事し、さらに、夜間の電話受付対応も行っているため に、他の職位に比べて所定外労働が多い。

課題その3

課題その4

課題その5 対 策

対 策

対 策

仕事の進め方改善

仕事の進め方改善

参照

関連したドキュメント

性別・子供の有無別の年代別週当たり勤務時間

[r]

(実 績) ・協力企業との情報共有 8/10安全推進協議会開催:災害事例等の再発防止対策の周知等

(※1) 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」 (平成 29(2017)年 12 月 15 日)参照。.. (※2)

非正社員の正社員化については、 いずれの就業形態でも 「考えていない」 とする事業所が最も多い。 一 方、 「契約社員」

育児・介護休業等による正社

契約社員 臨時的雇用者 短時間パート その他パート 出向社員 派遣労働者 1.

第9図 非正社員を活用している理由